うれしいセーター / 三國万里子 著


この表現、最高😂

というわけで、ほぼ日で先行発売された三國さんの新刊を購入しました。



編み物本を買うにあたって、人それぞれ、様々な判断材料・価値観があると思います。
編みたい作品がいくつあるかで決めるわ、とか、本の価格を作品数で割って1作品あたり何円だからお得だわとか、この作家さんのは全部集めているから、とか。

本書の作品数はウェア14点、帽子1点の、全15点(色違い1点、サイズ違い1点含む)。
お値段は、税込2,700円。
著者(作品のデザイン)は、三國万里子さんです。

掲載されている作品は、全てほぼ日内の指定糸販売ページにて公開されていますので、そちらをどうぞ。

…でもね、それだけで「ふぅ〜ん」なんて、わかった気になってはイケマセン。

たとえばこれ。
小林薫さんのフェアアイルセーター。
この似合いっぷりはたまりませんね。うーん、すごいな。

平置きのブツ撮り写真で見て「ふぅ〜ん」でも、実際にその人が着ると、作品の魅力がぶわっと膨れ上がるような。

あと、これとか。
リブウォーマーとかマーガレットとか、洋服として中途半端な形が好きになれなくて、平置きの写真では「ふぅ〜ん…」だったのですが…
か、かわいい! 便利かも! いいかも!


他にも…
冒頭の宮沢りえさんのカシミアポンチョなんてもう…もう、まさに天女の羽衣。うっとりと興奮がブレンドされて、恍惚としてしまいました。
ここにはあえて載せないので、ぜひ書店等でご確認ください。
(2016年12月24日発売です)


各作品は、まずこのような、リクエストを箇条書きにしたページから始まります。病院の問診票のようです(笑)。


ここで、多少の編み物経験のある方なら予測すると思うんですね。『ふむふむ…派手色で無地禁止だったら編み込みかな?』とか。
もし、軽いものがいいと言われたら、極太じゃなくて並太か中細か、交差模様より透し模様だな、とか。

で、このリクエストページをめくると、作品写真=三國さんの答えが、バン!と。

この片桐さんの表情に思わず失笑してしまいました(笑)
この答え合わせのリズムが良くて、読んでいてとても楽しいです。

で、こんな感じの作品写真が4ページほど続いたあとに、三國さんの作品解説があります。
こういうリクエストだったのでこうしました、とか、この方向で完成間近までいったけどこういう理由でボツにしてこうなりました、とか。
デザインに関する考え方や、編み物の特徴や構造に関することだったり…普通だったら、せいぜい作家さんのブログ等で裏話的にちらっと聞けたりするような、でも実はファンがもしかしたら一番知りたがっているようなことがたっぷり書かれています。

さらに、三國さんの編みものにまつわる思い出話、エッセイもあるのですが、これもまた良くて。
自分のこと、編みものと健康のこと、旦那さんのこと、おばあちゃんのこと、妹のこと…。
一通り目を通した後、これは今後もときどき読み返したくなりそうだなぁと思いました。


私は以前、編みもの修学旅行が出た時に、そろそろ自分の足で歩くときなのかも、というようなことをこのブログに書きました

三國さんの本は小物集から始まって、ウェアメインになって、指定糸も国内で手軽に買えるものから、ちょっと頑張って調べたりお小遣いを貯めないと手に入れられないような海外の毛糸が使われるようになって、編み方も難しいものが載り始めて、海外のニッターの元を訪れて紹介したり、Miknitsでデザイン用の方眼ノートを販売したり…
まるで部活の引率の先生のように、編みものの世界を少しずつ広げながら案内してくださった。
そろそろ、編みもの観光バス『三國万里子号』から降りて、自分で編みもの界を歩いてもいいのかも。その脚力はついてるような気がする。

そんなことを思ったのが2年前。

そして今回の、2年ぶりの新刊。
まさに、そんな私(たち)向けの本だと思いました。
サイズもデザインも特定の人に向けて作られているので、なにかしら調整しなければならない作品が多いです。Miknitsだけで限定販売されている糸も使われていますから、代替糸を考えることも求められたり。

本書の三國さんのエッセイによれば、本のレシピそのままではダメでサイズ調整が必要になったとき「編む人はデザイナーになります」。

本に書かれている糸と指示通りに編むだけの人から、デザイナーへ。

わくわくしませんか?



訂正などの最新情報はこちら
三國万里子作品集『うれしいセーター』 - ほぼ日刊イトイ新聞

追記

12月11日にほぼ日にて、編みもの会(ネット中継)が開かれました。

私はリアルタイムで見ることができませんでしたが、後日アーカイブ(録画)で参加。
7時間という長丁場でしたが、みんなの質問に三國さんが答えてくれるコーナーや、糸井さんが登場されたり、とても楽しく充実した時間でした。




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